水力発電とは、流れる水の持つエネルギーを使った発電方式です。
ダムに貯めた水を流したり、河川や水路の流れにより、発電用の水車を回転させて電気を作ります。
日本では高度成長時代まで、発電といえば水力!というくらいの主力選手でしたが、電力需要は増え続け、最近は原子力、火力で支える脇役になっています。
原子力と火力は、核燃料や化石燃料を使って水を沸騰させ、その蒸気により発電機(タービン)を回し、電気を作ります。
作られる電気の量は水力の比ではなく、物凄い量です。ですが、運転を開始してから実際に電気が作られるまで、時間がかかります。
水力はエネルギー源から電気を作り出すまでの時間が他の発電方式に比べ早いという特徴があります。
原子力や火力で大部分の電気をまかない、水力やその他の発電方式により電力需要に合わせ、ピーク時の負荷など残りを調整するといった運用となっています。
ここで問題となるのが、工場など大口の需要が無くなる夜間や休日の電力。
原子力発電は1度運転停止しまうと、再開して安定した発電を行うまでに数日かかります。なので、基本的には昼夜問わず稼働させておくほうが効率が良いのです。
そのため夜間、休日は電力が余る傾向にありますが、電力は基本的に貯めておくことができません。
この余った電力、特に夜間電力を利用した揚水式の水力発電所が最近多く作られるようになりました。
上部と下部、高低差のある2つの調整池の間で水を融通し、昼間は上部からの流水による発電、夜は下部からポンプにより上部に水を汲み上げ(揚水)、翌日の発電に備えます。
日本の地形から、山間部に多くのダムが作られてきました。
原子力や中、大火力に取って代わられた水力発電は、東日本大震災での福島第一原子力発電所事故以降の脱原発、再生可能エネルギー推進の波により再び注目を集めています。
都市部でも、排水を利用した小水力発電など、新しい方式のものが増えてきています。
水力発電は電験三種の電力にて必ず1問は出題されます。発電の原理やダムの構造、水車に関する知識など、満遍なく勉強して確実に点をとりましょう!
0コメント